仕事ができるようになりたい。速く仕事を終わらせたい。
そう考えている人は多いのではないでしょうか?
RPAコンサルとして、思考やロジカルシンキングを研究しているプロコアラです。
いい仕事をするうえで、結論の質と同じく重要な点が考えるべき問題なのか?ということです。
私たちの時間は有限です。全ての問題に対して考えていては、本当に重要な問題について考える時間が無くなってしまいます。
何について考えるべきかに焦点を置いた論点思考(イシュー思考)を身につけて、仕事の効率を上げていく方法を解説します。
論点思考(イシュー思考)
いい仕事は、「考えた結論の質」「考えるべき問題か」が重要
いい仕事をしたい。できるビジネスパーソンになりたい。
いい仕事とは何でしょうか?
いい仕事は、「考えた結論の質」「考えるべき問題か」の2軸で構成されています。
考えなくてもいい問題に対して、いい答えを出してもそれはいい仕事とは言えません。
例えば、「サザエさんのジャンケンの法則性を見つけました。」と言われても、ほとんどの人がサザエさんのジャンケンに興味がないわけですから、どんなに分析したとしてもそれはいい仕事とは言えないわけです。(ネタとしてはおもしろいとは思います。)
「経営における最も重大なあやまちは、間違った答えを出すことではなく、間違った問いに答えることだ」
“The most serious mistakes are not being made as a result of wrong answers. The tfuly dangerous thing is asking the wrong questions.”
ピーター・ドラッカー
経営の神様ドラッカーが言っているように、まず考えるべき内容を精査することが必要になります。
この「考えて答えを出すべき問題」を「イシュー」といいます。
イシューを見極める
イシュー・仮説は答えを出せるものを選ぶこと
実は世の中には、答えが出せない問題もたくさんあります。
これらのイシューに手を出してしまうと底なし沼のように無駄な時間を費やしてしまいます。
重要度の高いイシューを考えましょう
例えば、既存の主力製品の売り上げが悪い場合を考えてみましょう。
「既存の主力製品をそのまま売るべきか?」
「新製品を開発して売るべきか?」
これらは考えるべきイシューと見えますが、実は一番考えないといけないイシューは
「既存の主力製品の売り上げが悪い原因は何か?」ではないでしょうか。
主力製品をそのまま売るにしても、新製品を作りにしても、原因の追究はやっておかなければなりません。
このように重要と見えるイシューも、実はより重要度の高いイシューが存在します。
イシューを見極めて、考えるべきイシューに時間を投下しましょう。
イシュー・仮説は次のアクションが明確になるまで進化させること
白黒つけられない状態。これはイシューで無くて設問。
「XXの市場はどうなっているのか?」
進化させたイシュー
「XXの市場は縮小しているのではないか?」
ここまでイシューと仮説を進化させていくと、本当に縮小しているのか分析しようというアクションにつながる。
このように次になにをすればいいか明確なものが良い仮説。
イシューが「XXの市場はどうなっているのか?」のように不十分だと次のアクションが分からない。
よって、色々と調べてしまうことになり、時間がいくらあっても足りなくなってしまう。
イシュー・仮説は言葉にして確認する
言葉にして詰まる場合は、まだイシューとして詰まっていない可能性が高い。
仮説を持たずに進めようとしている。
言葉で表現するときには以下を気を付けます。
・主語と述語を明確に記載する。
・あいまいな言葉は使わない。
・WHYは使わない。
主語と述語を明確に記載する
人によってとらえ方が違ってくる可能性があるため、主語と述語をいれて意味を明確に分かるように心がける。体言止めも使わないようにする。
あいまいな言葉は使わない。
「適切な対処をします」
「構造を最適化します」
これらのあいまいな言葉は聞こえはいいが、結局何がしたいか分からない。
あいまいな言葉は使わないようにしましょう。
WHYは使わない。
なぜでは何をはっきりさせようとしているのか分からず分析が多岐に渡ってしまう。
次の悪損がより明確になるようにWHAT、WHERE、HOWでイシューを作りましょう。
イシュー・仮説は常識を覆すような洞察や新しい構造を含むこと
仮説が常識の範囲内だと、検証した所で何の価値も生まれません。
検証後に価値が生まれる仮説は、今までの常識を覆すようなもの。またはビジネスの構造を再構築するものです。
ビジネスでいうと、以下の様なイシューが該当する。
「実は営業効率はスーパーマーケットよりも小売店の方がいいのでは?」
「若年層向けのシェアは拡大しているが、主婦向けの市場は縮小しているのでは?」
新しいルールや、共通性、関係性を見つけ出すということもビジネス上重要な仮説となる。
知見の無い分野でのイシュー・仮説の立て方
知見の無い分野では、情報が無さ過ぎてイシュー・仮説を全く立てることができないケースがある。そんな時は、仮説を立てるための最低限の情報を集める必要が有る。
5FのフレームワークにPESTを組み合わせた以下の項目があれば、最低限の仮説は立てられるはず。
・業界内部における競争関係
・新規参入者
・代替品
・事業の下流(顧客)
・事業の上流(サプライヤー)
・技術・イノベーション
・法規・規制
情報を集める際には一次情報をなるべく集めるようにする。
また、集めすぎないように注意が必要。
集めすぎてしまうとかえって考えすぎて時間がかかってしまう場合がある。
論点思考(イシュー思考)でおすすめの書籍
イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」
著者は外資系コンサルティング会社と科学者として研究をやってきたという面白い経歴をお持ちの安宅和人氏。
コンサルタントの経験から、いい仕事をするためには考えるべきイシューが重要であり、思考方法を分かりやすく解説しています。
考えるべきイシューを特定し、ビジネスパーソンとしての仕事力を向上させたい人におすすめです。