オープンソースのRISC-V、ご存知ですか?
ハードウェアのLinuxとして期待されています。興味のある方はご覧ください。
RISC-Vのよくある勘違い
RISC-VのISAは無料だが、コアIPは有料
RISC-VはオープンソースのISA(命令セットアーキテクチャ)が無料です。
よくある勘違いとして全て無料で作れると思われているのですが、実はそうではありません。
SiFiveなどのコアIPベンダーは、RISC-VのISAをベースにコアIPを有料で販売しています。
カスタマイズしない場合はarmの方が安い場合も有り
armはライセンスが高いと言われていますが、ローエンドのCortex-M系はライセンスが安めに設定されています。
カスタマイズしない場合はRISC-Vよりもarmの方がコストメリットがある可能性も有ります。具体的なライセンス価格は調査中。
RISC-Vの今後について個人的見解
これは個人的見解です。
ローエンド非カスタム品はarm採用か
RISC-VでSoCやASICを作ろうとした場合には、設計からテープアウトまでにライセンス料が必要となります。
ローエンドの非カスタム品はarmと比較してコストメリットは無いため、armからの移行は積極的に行われないのでは無いかと考えています。
ソフトバンクにSoCの開発計画を知られることを嫌ってarmからの置き換えを行いたいと考える企業もあるかと思いますが、これだけで移行は無いと思います。
ハイエンド カスタム品にはRISC-V採用が増えるか
ハイエンドのカスタム品はRISC-Vが増えてくるのでは無いかと考えています。
理由は2つあります。
・5Gに向けたAIの発展
・ムーアの法則によるSoCの性能向上ができなくなった
5Gに向けたAIの発展
5Gに向けて、AIやIoTといった技術が現在発展していっています。
AIは高度な計算が必要になってくるため、GPU、FPGA、ASICで行う必要があります。
AIとカスタムしやすいRISC-Vとは相性がいい組み合わせと言えると思います。
ムーアの法則によるSoCの性能向上ができなくなった
半導体チップは、ムーアの法則で進化してきました。
ムーアの法則は、12~24カ月で半導体のデバイス集積度が2倍になり、トランジスタコストが半減するという経済則です。
半導体製造技術が現状の方法では限界に達してしまい、2000年代初頭から続いてきたムーアの法則が崩れてきました。
現在、半導体の性能を向上させるアプローチとしては、特定領域に特化した半導体の製造が考えられています。
特定分野の性能を向上させるためにカスタム命令を実装したりといったことは、RISC-Vでは相性がいい組み合わせです。
これらの2つの理由から、AIなどの高度な計算が必要となる場合、カスタム命令を実装しやすいRISC-Vの採用が増えるのでは無いかと個人的には考えています。
少量生産の場合はFPGA、数が出る場合はASICという流れになるでしょう。