組み込み

RISC-Vとは?オープンソースの新しい時代の命令セット

こんにちは、10年間組み込みエンジニアとして働いているプロコアラです。

RISC-Vについて解説したいと思います。

 

 

RISC-V とは?

RISC-Vのロゴ

RISC-Vは、リスクファイブと読みます。

RISC-VはISA(命令セット)です。つまりは命令のマニュアル。

UCバークレー(カリフォルニア大学バークレー校)で開発された5番目のRISC命令セットということで、RISC-Vと名付けられたそうです。

RISCは命令長を合わせて回路を単純化して演算速度の向上を図ったアーキテクチャのことを指します。

 

MIPSを生み出したデビット・パターソンさんもRISC-Vを支援しているらしいです。

MIPSに似ているのですが、MIPSよりも簡略化されています。

他の命令セットで有名なものはIntelのx86がありますが、長年互換性を保ちつつ発展してきているため、冗長になりメモリ効率が悪くなっています。

RISC-Vを使用することでメモリを有効に使用できるというメリットがあります。

 

 

RISC-Vはオープンソース

RISC-Vの特徴はオープンソースであり、ライセンス料が不要という点が一番の特徴です。

現在、有名な命令セットとしては、ARMがあります。

ARMはライセンス料が高く、数千万円から数億円とも言われています。

ライセンス料が不要になるため、中小企業などが独自のCPUを作ることが可能になってくると思われます。

 

 

RISC-Vの将来性はどうなのか?

RISC-VはRISC-V Foundationという非営利団体によってサポートされています。

RISC-V Foundationには多くの有名企業が参加しており、将来性が期待されています。

 

オープンソースのため、世界中のエンジニアによって開発されておりものすごいスピードで成長しています。

コンパイラのGCCもRISC-Vに対応し、Linuxを初めてとして各種OSがRISC-Vに対応してきています。

 

統合開発環境やシミュレータなどのエコシステムが充実してきており、RISC-Vの拡大を予感させます。

https://riscv.org/software-status/

SiFiveによりCPU開発が身近に

SiFive社のWebサイトに行ってみてください。

ポチポチと数クリックするだけで、オリジナルのRISC-VベースのCPUを制作することができるようになっている。

このようなサービスが広がることによって、今まで独自のCPUを制作することができなかった中小企業も作成が可能となってくるだろう。

 

 

RISC-Vについてより知るためには

 

公式ドキュメント

User-Level ISA Specification(英語)

Privileged ISA Specification(英語)

Debug Specification(英語)

 

プレゼンテーション

RISC-V Day 2018 Tokyo and Fukuoka

RISC-V Workshop in Barcelona 7-10 May, 2018(英語)

 

解説サイト

APS 初心者講座 RISC-V編(日本語)

 

 

書籍

 

 

おわりに

現在、命令セットないしCPUシェアはarmが組み込み分野を中心に多い状況にある。

しかし、高額なライセンス料金からarmが安泰という訳でもない。

ソフトバンクに買収されたことも、その動きに拍車をかけているように思える。

オープンソースのRISC-Vが登場したことによって、CPUのシェアが変わってくることになるだろう。

 

ABOUT ME
律野桜哉
RPAコンサルタントのプロコアラです。長年のエンジニア経験を活かしてして外資系コンサルファームでRPAコンサルしてます。 転職ノウハウ、プログラミング、英語の勉強方法など分かりやすいように解説していきます。