今回はプロトコルスタックについて学習していきます。
プロトコルスタックとは
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プロトコルとは通信におけるルールのことを言います。
送信側と受信側でプロトコルを合わせておかないとデータを正しく送信することはできません。
通信におけるさまざまプロトコルを役割ごとに整理したものをプロトコルスタックといいます。
コンピュータでデータを送りたい時を考えてみましょう。
いきなり送信しても相手はデータを取得することはできません。
データを送る時はデータの最初に目印となるデータを付けてからその後に送るなど、あらかじめルールを設定しておきます。
どのケーブルを使って送るのか、データは全部でどのくらいなのか?
送信側と受信側で複数の決め事を守って初めて正しくデータを送ることができます。
プロトコルスタックの歴史
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インターネットが普及する前、各メーカーは独自のプロトコルスタックを作って自社製品同士が通信できるようにしていました。
メーカー独自のプロトコルのため、A社製のコンピュータ同士、B社製のコンピュータ同士は通信できるが、A社とB社は通信できないため、ネットワークを構築するためにコンピュータのメーカーを揃える必要がありました。
例えるなら、共通言語を持たない民族同士という感じでしょうか。A民族は日本語を話すので、A民族とは交流ができますが、英語や中国語を話す他の民族とは交流ができないイメージです。
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ISO(国際標準化機構)は、異なるメーカーのコンピュータ同士も通信できるようにプロトコルスタックを統一しようとOSI参照モデルという世界標準のプロトコルスタックを作りました。
しかし、ISOが作ったOSI基本参照モデルは普及しませんでした。
アメリカの国防総省と大学が発明したインターネットが発展していくと共に、インターネットで使われているプロトコルスタックのTCP/IPが実際の世界標準(デファクトスタンダード)になりました。
OSI基本参照モデルは理論としてはしっかりしているため、普及はしませんでしたがネットワークの世界では度々用いられます。