今回はOSI基本参照モデルを解説します。
OSI基本参照モデルとは
階層 | 名称 | 役割 |
第7層 | アプリケーション層 | アプリケーション固有のルール |
第6層 | プレゼンテーション層 | ユーザーが見るデータの表現形式のルール |
第5層 | セッション層 | アプリケーション通信の開始終了のルール |
第4層 | トランスポート層 | 通信の信頼性のルール |
第3層 | ネットワーク層 | エンドツーエンドの通信ルール |
第2層 | データリンク層 | 同じネットワーク内の通信ルール |
第1層 | 物理層 | 物理的・電気信号に関するルール |
OSI基本参照モデルとは、ISO(国際標準機構)がネットワークを標準化したものです。
ネットワークを7階層(レイヤー)に分解して、それぞれの階層でプロトコルを定めました。
各階層で何のプロトコルを利用するか決めることができるため、柔軟性があります。
上位の階層は下位の階層を利用することで、役割が明確になり、シンプルになっています。
アプリケーションがブラウザの場合とメールソフトの場合では、7階層目のアプリケーション層のプロトコルが変わりますが、通信データの送り方自体に変更は無いため、下位のプロトコルは同じになります。
OSI基本参照モデルのイメージ
ネットワーク上でコンピュータ同士がデータを通信することは、現実で人がものを送ることに似ています。
今回は、ものを運ぶ時のルールから、ネットワークで通信する時に必要なプロトコル(ルール)についてのイメージを深めていきましょう。
今の若い人は理解できかもしれませんが、30年前はLINEどころかメールも無かったので手紙でやり取りをしていました。1つのノートをお互いに交換して書きあう交換ノートという太古の情報交換ツールがありました。
東京のAさんと福岡のBさんが交換日記をしている例で考えてみましょう。
交換日記にはお互いが情報を正しく理解できるように共通ルールがあります。日本語で書くのも、どこに返事を書くのもお互いが決めておかないと交換日記が成り立ちません。ルールの中には日記には写真を貼るという共通のルールもあるでしょう。ものを送るルールもありますが、このように荷物の中身に対してのルールというものが存在します。
交換日記を書いたら、ポストに投函します。ものを送る時のルールもあります。速達で送るのか、補償を付けるプランもあります。プランで料金も変わってきます。
郵便局の人は投函された荷物の住所を見て最適な経路を考えます。
自分の担当範囲でなかったら担当に対して荷物を届けて依頼します。プランによって飛行機、船、車、バイクなど様々な手段によって送られます。この時物理的に道路などでつながっている必要があります。
荷物は複数の担当者によって送り届けられるのです。
Aさんにメールを送る際のプロトコルスタックを見てみましょう。
データを送る際にはアプリケーション独自のルールがあります。メールでは送信元と送信先のメールアドレスを用意する、容量の大きなファイルを添付しないなど色々と守るべきルールがあります。日本語と同じように文字コードを合わせることも重要です。
アプリケーションのルールだけでなく、データを送るときに守るべきプロトコルがあります。速度を優先する速達プランや品質を優先する補償プランも同じように存在します。
宛先のコンピュータに対する最適な経路を決めて、複数の担当者を経由しながら送り届けます。
この時、物理的にLANケーブルや専用線で接続されている必要があります。
ルーターやISPなど見慣れない言葉が書いていますが、後ほど解説しますので、ここでは物を送る時と同じようにルールが階層化されているイメージを持ってください。